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御囲章木版画展ー最終日 [アート]

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「御囲章木版画展」は本日最終日です。(午後5時まで)
御囲ワールドをご堪能いただけたかと思います。
2年後にまた彼の世界を見せていただけそうです。楽しみに待っていましょう。

次回は10月11日から「Goアストロ温泉」です。「明和電気」になりたかった少年が「アストロ温泉」になりました。どんな世界が広がるのか観に来てください。
13日(土)には自動お絵描き機「シンドウさん」を作るワークショップ(要予約、参加費2000円)とギャラリートーク(予約不要、参加無料)も開催いたします。

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御囲章木版画展ー「永く君臨する者」 [アート]

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何かひっかかる。少し心がざらつく。心に石を投げられた。
ただ美しく穏やか、とはいかない何かがこの作品の中にはある。

こんな作品を作られるとこの先にどんな作品で問われるのか気になって仕方が無い。

御囲さんにしてやられているのかもしれない。
だって次を観なければ心の中の波紋は収まらないのだから。

2年毎に「御囲章木版画展」は開かれる。

明日今回の個展は最終日を迎えます。
2年後の個展ではきっとこの続きを問われ、今日のざらつきから解放されるに違いない。



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御囲章木版画展ー「抗う同士」 [アート]

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私にとってこの作品は妙に心にひっかかる。
好きとか嫌いとか良いとか悪いとかではなく、ふと目をやってしまうのがこの作品なのだ。

なぜこんなにひっかかってくるのか、8日目の今日になっても見えてこない。

「抗う同士」
何と何が抗うのか?

御囲さんに聞いてみたのだけど、彼自身答えが見つからないようなのだ。
ただ、答えの見つからない状態のこの作品も今の自分だから出品したとのこと。
そうか、自身の中でも解決していない事ってあるよね。

彼は正直な人だ。
わからないことはわからないで、だけど自分である事は間違いないと言うのだから。

いつかその答えを見つけて、腑に落ちる日も来るのだろう。
それは明日かもしれないし、10年後かもしれない。
そういう日がきたら教えてほしいと頼んでみた。
教えてくれてもそれを忘れてしまっているかもしれない、覚えている自信もないのに。

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御囲章木版画展ー「ここまでの道程」 [アート]

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御囲さんにとって今回の作品の中で一番納得のいっている作品はどれか聞いてみました。
この「ここまでの道程」だとのことでした。

まずはグリーン系の色遣い。
植物モチーフか描き続けているのでグリーンというのはいかにもストレート過ぎるとの思いから今まで使えない色だった。色との格闘の末今回はやっとグリーンの封印を解いたのだと。それだけに単純にグリーンを版木に載せたのではない。隠し味的な他の色の効果も確信した。他の色とのバランスも取れるようになった。

この作品が納得作というのには色だけではなく、構図も成功していると言います。
構図というのはここがこうなっているからと言葉での説明は難しい。
これは感じ取っていただくしか無い。

もちろん彼の中にまだまだだなと思う部分もありこれが自己採点100点満点とはいかないのだそうだ。
グリーンの工夫の余地があると思っているし、構図だって本当にこれがベストかどうか自問自答すればノーなのです。もっと進化できる自分を信じている。

色1つとってもグリーンという色が増えた。それを表現の幅を広げたと言います。それは単に色数が増えたということではない。色との格闘の末自分らしいグリーンの使い方を見つけた、そう自分らしいと思えるようにならなければ広げたと言えない。

次はどこに広がっていくのか楽しみですね。

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御囲章木版画展ー「残る者へ残す事」 [アート]

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今回の個展で一番大きな作品がこれです。大作です。
   920×600㎜

この密度で版画を彫るのは物理的にかなりエネルギーがいる事なのだと思います。
作品そのものにエネルギーをかけざるを得ない何かが作家の中にあるという事でもあります。
単純に大きさとエネルギーに関係があるとは言いませんが、さらっと軽い気持ちでないことは間違いありません。

それにしても御囲さんの場合小さな作品も大きな作品も面や線の密度に違いがないのも特徴の1つだと思います。これには彫刻刀の幅の問題があるとか。その幅には太いのや細いのもあるのだそうですが、画面が5倍になれば5倍の幅の彫刻刀があるかと言うとそうではない。そこまでの差は無いのだから大きな画面だと緻密にならざるを得ないということなのです。

さあこの「残る者へ残す」
膨大なエネルギーを注いでどんな思いを込めているのだろうか。
彼のプライベートな事情を書くと、ここ数年で大切な家族との別れを何度か経験しました。その気持ちを整理するのに言葉では表せないものを納得できないものを作品を制作する事で昇華する・・・。

「輪廻転生」と簡単に言う事ができない何かを作品に込める。
「言葉にできるのだったら作品にする必要はない。」とも。

「この心の問題を言葉で表すと何だかちょっと違うような軽いような、とにかく説明はできない。ただ思いの深いときは大きな作品で自身が格闘する。それしか方法は無い。」と。

大きな作品は物理的に手数もかかるし、緻密な計算のもとに制作を進めなければならないのです。
だからそれなりの覚悟無くしては取りかかる事すらできない。その覚悟と思いの深さは正比例する。

で、出来上がったらだいたいはがっかりするのだそうです。そういうことじゃないって。

「今度こそちゃんと表現できるようにって、また作品つくってしまうんですよね。」と本人の弁。

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御囲章木版画展ー「忘れていくこと」 [アート]

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今日の話題は御囲章さんの「目」の話です。

彼は生まれた時から弱視です。つまり視力があまりないということです。眼鏡で矯正しても0.01くらいだと言います。私弱視ではありませんので眼鏡をかければ正常視力ですが、裸眼で0.02くらいなので彼の見え方がどんななのかわかります。
世の中はぼんやり色で分かれていて、よっぽど目の近くに物を持ってこないと物のエッジを見る事は無い。この事実を彼の作品世界と切り離す事はできません。

小さいときからモコモコしたものにとても興味があったそうですが、物にエッジが無い世界とは秋の雲にも似た曖昧なモコモコに近い。そんな視覚の世界で生きてきたことは彼の個性です。彼の作品にはエッジはあります。でもその個性的な「目」で見て来たからこそのエッジ。彼の個性的な視覚世界から彼の作品は生まれて来た。

版木を彫る時、手の感覚で掘り進めると言います。触覚で描く。「手でだいたいどんな風に彫れているかわかる」と。御囲章の手は「目」でもあります。

実は物の見え方はみんな同じではありません。どう見えているのか微妙な違いをそれぞれが説明できるわけではないので気付かないでいるだけ。「物」は「目」を通して見ているのでその違いだけでも世界観は変わるはずです。ましてや触覚も視覚にしている御囲さんなのだから個性的な世界観が生まれるのは当然と言えば当然なのだと思う。


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御囲章木版画展ー「今が盛り」 [アート]

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御囲章さんのこの個展のサブタイトルはー私の「普通」な景色ーです。

今回に限らず彼の作品は「風景」なのだと言います。
地面が描いてあろうがなかろうがモチーフの植物は地面から生えているイメージなのだそうです。
地面があることを前提に絵を描くのだからこれは「風景」であると捉えている。だからといって植物が描きたいわけではない。事実植物らしいモチーフはこの世に実際に存在する植物ではない。このモチーフを通して描かれているのは心情だったり人の佇まいだったり。人物が醸し出す何かをモチーフに重ねているのです。

昨日のギャラリートークから解き明かされたあれこれ。まだまだ奥深い御囲ワールドに戸惑いつつも真髄に迫って行きつつあるようにも思います。





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御囲章木版画展ー「滞り無く降りて欲しい」 [アート]

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作家にとって技法というのは表面的なことで本質的なことではありません。
その技法を使って制作するのはそこに至るまでにたまたま出会ってしまい、それが作家としての体質によく合ったということにすぎない。

御囲章さんにとっての木版画も大学で出会ってしまった1つの技法でした。
問題はそれを使って何を知らしめたいのか、どう表現したら観る側に伝わり自分が納得できるかなのです。

彼の一連の作品を見れば一目瞭然、モチーフには植物が多用されています。
植物は彼にとってどんな存在なのか。

「朽ちかけた植物に心が震えます。桜の古木だったり、間もなく季節が終わり枯れてしまいそうなトマトだったり。木でも草でも、成長著しい状態ではなく朽ち果てようとしているものにです。」と御囲さんは言います。そういう植物が彼の心に何を残していったのか。少しずつ解き明かしていけたらいいなと思っています。

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御囲章木版画展ー一版多色刷り彫りすすめ [アート]

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木版画展ですから御囲章さんの作品は木版画です。

ただ小学生のレベルの知識では多色刷りといえば色数だけ版を彫って、あるいは遠くの方の色は同じ版でも別の色でもできますが、それでも何枚か版を彫らなければ制作できないことになります。

「一版多色刷り」というのは版木は1枚なんです。
一枚で何色もってどういうこと?「彫りすすめ」って?
まず色をのせる部分を彫り、一番薄い色を刷ります。
一番薄い色の部分だけ彫って次に薄い色を刷る。その次に薄い色の部分を彫ってその次の次に薄い色を刷る。・・・の繰り返し。
例えば一番薄い色が黄色、次に薄い色が黄緑、その次に薄い色が緑・・・繰り返して最後に黒、みたいにね。彫りながら刷っていくから「彫りすすめ」

言葉だけの説明ではわかりづらいですよね。まあ観に来てみてください。

とにかく、版が変化していくので10枚刷ろうというのならばどん段階でも10枚は刷っておかないと後で追加はできません。普通、版画は追加がききます。だから作家によっては1枚ずつしか制作せず注文があると刷るということもあります。(10枚と決めてエディションナンバーの分母が10なら11枚とか12枚とか分子が10を越える事はありませんが)しかし、「彫りすすめ」の場合注文があってから刷るということはできないのです。

今日は御囲作品の技法について書きました。
技法は知識的な部分で作品の真髄ではありません。
少しずつ本質に迫っていけたらいいなと思っています。

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御囲章木版画展ー初日 [アート]

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本日より「御囲章木版画展」です。
サブタイトルはー私の「普通」な景色ー

「小さな絵の展覧会」ではデビューしていますが、名古屋では10回目のプリズムでは初めての個展です。ずっとやってきた画廊が昨年閉廊したのを機にプリズムをホームグランドにしてくださったのです。

木版画ではありますが、一版多色刷りの「彫りすすめ」という技法で制作しています。

明後日29日午後4時からギャラリートークでテーマを始めとして技法などもお話ししてくださるかと思います。ただ今台風24号の状況が大変微妙なようです。場合によっては変更などもあり得ると思いますので警報発令のおりにはお問い合わせをお願い申し上げます。(TEL052-953-1839)
なお、御囲さんご本人は会期中営業時間には在廊しますのでいつでもお話をお聞きいただけます。



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