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雷門獅篭が描くということは?ー雷門獅篭展 [アート]

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初めて雷門獅篭さんに会った頃、プリズムは獅篭さんのどれほどもわかっていませんでした。

「落語家ですが漫画なんかも出版してるんです。」と。
なんだかおもしろそうだから、ギャラリーで観ていただくのもいいなぁ。そんな風に考えていました。

そもそも漫画家と言われる方々はギャラリーで個展なんてそんなに興味を持っていない方が多い。よっぽどの巨匠的存在が商業ベースにのって展覧会という形をとることはままあることですが、多くの漫画家にはその気もなくチャンスも無い。

獅篭さんは違った。やってみたいと言うのだ。

個展の話が決まって直近の展覧会は「猫展」だった。
画材のことを始め彼の中に多くの知識が無いことを知った。作品の発想は面白いのだけど・・・。

失礼ながら少々の不安を持って搬入の日を迎える。

次から次へと膨大な量の作品が搬入された荷物の中から出てくる、なんなんだこの量は。
それなのに「あ、あの作品忘れて来ちゃったな」なんてけろっと言う。
多くの作家が会場を埋められるぎりぎりの数でくるというのに。

漫画の原稿が約1000枚。
メインの壁面にびっしり飾っても300枚ほどしか飾れない。
途中架け替えもしたけれど、結局1/3は飾れなかった。

「猫」シリーズもあるし、ここ1年ほど描き続けた「地獄」シリーズ、新作の「令和少女」シリーズ。
今までに作ってあったグッズや書籍も展示台に所狭しと並んでいる。フィギュアまで・・・。
似顔絵コーナーも作りました。

20年近く制作した数々。

それなのに会期中売れてしまったものに関してはその代わりになる作品をどんどん制作しては追加してくれる。似顔絵だって途中から「漫画風」もいいな。「漫画風カラーバージョン」もやってみようかな。なんて発想は広がる一方。

膨大な作品をどう考えたら良いのだろうか?
漫画、イラストレーション、フィギュア・・・。
30年のギャラリストキャリアの中で培った概念の中に入りきれない作家。

私自身落語をよく知っているわけではないので申し訳ないのですが、落語には庶民に対する愛を感じます。長屋のくまさんはっつぁんの目線。

獅篭さんの作品にそれを感じるのです。
漫画には無茶ぶりする落語家の先輩たちがたくさん出てきますが「結局好きな人ばかりなんです。嫌いな人は描かなかった。」獅篭さんが愛した人ばかり。「猫」も「少女」も獅篭さんにとっては愛すべき存在だったに違いない。

獅篭さんは根っからの落語家。
もう、落語の感性で生きているのではないだろうか。
つまり、長屋の仲間を愛するように描く対象に向かっているのだと思う。
落語ワールドの目線で絵を描いているのだと思う。

そういう獅篭さんに絵を描くための知識や技術はそれほどいらない。必要な時必要なだけ身につけていけばいい。そのためにプリズムの作家仲間は惜しみなくサポートもしてくれる。

獅篭さんには従来のカテゴライズはいらない。
彼が描きたいもの作りたいもののすべてが獅篭ワールド。
敢えて言うなら「落画」
落語の心を持った「画」だから「落画」

明日最終日ではありますが、獅篭ワールドはまだまだ全貌が見えてこない。
というわけで、来年も「雷門獅篭展」は続くことになりました。

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