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足立ゆうじ挿画展ー事実と真実 [アート]

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「挿絵の一番難しいところは?」と足立ゆうじさんに質問してみました。

「小説の邪魔をしないこと」という答えが返ってきました。
その一言に挿画作家としての気概がこもっていました。

挿絵でその小説を読みたいかどうか、一瞬で読者の気持は決まります。だから、その小説の世界観を挿絵で伝えられなければいけません。受け取った原稿からまずはちゃんと読み取れなければいけないのです。
だからといって書かれている事実を絵にすればいいというものではありません。せっかく小説家が書いた言葉の事実を絵にしてしまったら、それは小説の説明をしたことになります。説明などされたら読者の「読む」ことで想像する世界をぶちこわしてしまうことになります。それでは邪魔にしかならないのです。

では何を描くのか。
「事実ではなく真実を描きたい。」と言います。
例えばその場面に林檎が登場したとします。その林檎に真実が込められるかどうかなのだと。
言葉にするととても抽象的なのですが、鉛筆だけの表現でも林檎に歓喜も不安も込めることができる。できなければ挿絵としての役割は果たせないということなのです。

足立さんの語る言葉を書き出すと、とても簡単に聞こえますがそこには深い艱難辛苦があることと思いました。


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足立ゆうじ挿画展ー鉛筆だけといいますが [アート]

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「・・・鉛筆だけで描いたんですか?」とみなさん驚かれます。
鉛筆ってHBだとか3Bだとか濃淡というか固さの種類だけだから、画材としては扱いにくいだろうなという印象です。

確かにはっきりした色目のある絵の具やパステルのような画材は色の持つ意味が表現を助けてくれるとは思います。

足立ゆうじさんの作品は、鉛筆だけなのに多彩な表情を見せてくれます。

「鉛筆だけ」は決して「鉛筆1本」ではないのです。
同じ固さの鉛筆も2社を使い分けているそうです。同じBならBの表示でも微妙に固さが違うし、茶色っぽい黒だったり青っぽい黒だったりするのだそうです。普段使わなくても手に入る鉛筆はどのメーカーものも手元に置いているそうです。すっと一刷毛で豊かな表情を作ることができるとか。
「鉛筆だけ」なのに奥の深さはとんでもないものがありそうです。

私たちの目が茶色っぽい黒も青っぽい黒も知らない間にちゃんと受け取っているんですね。それは足立マジックのテクニックのおかげです。

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足立ゆうじ挿画展ーモデルは僕です [アート]

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あれ?見たことある。これはもしや・・・。
と、足立ゆうじさんに尋ねると「そうです。モデルは僕です。」

だいたい村上龍さんの小説の原稿が送られて来て1週間後くらいが絵の締め切りになるそうです。
送られて来た原稿を読み、1回分2点の絵の構想を練り。描き上げる。これが1週間の仕事量。
スケジュール的にモデルを雇って描くということが難しい。

必然的にモデルもご自分でやることになるのだそうです。家族や親戚も巻き込むこともあるのだけれど、男性なら自分がモデルということがほとんどとか。

後ろ姿だって、セルフタイマー使ってこのようにモデルもこなす。
雑誌やネット上の写真では、オリジナリティに問題があるし、何よりもポージングにかぎりがある。自分がモデルなら描きたいポーズをとればいい。・・・というほど簡単なことではないと思うが、彼の拘りは解消される。地道な努力はこんなところにもあるのですね。


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足立ゆうじ挿画展ー女性の顔は得意です [アート]

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思えば足立ゆうじさんとの付き合いも長くなりました、初個展からもう10年になりますから。

絵を描き始めた頃はほとんど女性の顔を描いていましたっけ。
やっぱり鉛筆で丁寧に丹念に描き込んでいたことを覚えています。

女性の顔を描くのが好きだったようです。
「今でも、やっぱり好きですし、自信があります。」と。

今回も女性の顔を描いた作品が数点あります。
得意分野。さすがです。美しいです。

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足立ゆうじ挿画展ー1回めの作品 [アート]

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「オールド・テロリスト」第一回目の作品です。

足立ゆうじさんは、この作品がお気に入りのベストに近いと言います。特に構図がうまくい合った満足感があると。

イラストレーターを目指す前に足立さんはグラフィックデザイナーとしてお仕事をしていました。当然今現在もイラストレーションに対してグラフィックデザイナーの視点を必ず持っている。その目をもってしても、この絵に満足感があるというのです。

憧れの村上龍さんとお仕事をするという気合いも十分だったことも伺えます。
2回目の作品もお気に入りとか。
足立さんの人となりを知る者としては、若武者の武者震いを見る思いです。

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足立ゆうじ挿画展(月刊文藝春秋連載 村上龍著「オールド・テロリスト」)ー初日 [アート]

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ギャラリースペースプリズム本日より「足立ゆうじ挿画展(月刊文藝春秋連載 村上龍著「オールド・テロリスト」)」です。

月刊誌ですから月一回ずつ39回、3年半にも及ぶ連載だったことになります。
この間の全作品を展示しています。一回2点、78点の作品が並んでいるということになります。

「オールド・テロリスト」は日本文壇の巨匠村上龍さんの小説。その巨匠と組んだ足立ゆうじさんは今年やっと40才という新進気鋭のイラストレーター。持てる力のすべてを注ぎ込んでの仕事だったことは言うまでもありません。

鉛筆画ではありますが、水彩を時にピリリと効かせた挿画の数々を是非ご覧ください。

足立ゆうじさんは、イラストレーターだけでなく名古屋造形大学で教鞭をとっています。現在、学校の仕事も大変忙しく、会期中9月26日(土)と10月4日(日)のみ終日在廊の予定です。時間が空けば駆けつけるとのこと、Twitterにて随時おしらせいたします。

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秋さらら2015ー最終日 [アート]

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「秋さらら2015」は本日最終日です。
会期の16日の間にぐっと季節が進んだように思います。初秋にちょうど良かった服も季節外れな気さえします。

次回は9月24日(木)から「足立ゆうじ挿画展」です。
イラストレーターのプロの仕事をたっぷりご覧いただきたいと思います。

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「フリーダ・カーロの遺品ー石内都、織るように」(今池シネマテーク) [アート]

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ギャラリー定休日に「フリーダ・カーロの遺品」を観てきました。

フリーダ・カーロの生涯は苦難に満ちたもの。
その存在をどんな映画にしてあるのだろうという思いで会場に出かけました。

石内都は遺品を取る写真家として名を馳せています。遺された物から故人を生き返らせるかのような写真を撮ります。この映画はフリーダ・カーロの遺品を撮って欲しいというフリーダ・カーロ美術館からの依頼があり、その撮影の様子をドキュメント映画にしたものです。さぞかしフリーダの苦難を生々しく蘇らせるのだろうと、少し覚悟をしていました。

フリーダが、不実な夫リベラに気に入られるように彼が好きだったメキシコの民族衣装を着ていたことは知っていましたが、その精緻な手仕事の施された数々の衣装も今回の被写体になっていました。
石内は「綺麗ね」と何度も言う。フリーダの手で修理がなされた部分も丁寧に映していた。

どんなに困難な生涯でも、毎日の生活に笑顔無しで暮らすことはできなかっただろう。そんなことを彼女の写真は映し出しているかのようでした。
ポスターにある靴だって、フリーダの障害を持った身体を支えるために高さの違うヒールを映し出しています。それでも、赤い靴にはドラゴンが刺繍されていて、おそらくそれをオーダーした日の彼女はうきうきしていたに違いないと思う。

石内都の目を通すと、フリーダ・カーロは当然のように私が今まで思い描いていた人物像とは少しだけ違っているようだった。それがなんだかホッとしたりもしました。もちろん薬が手放せなかったことや、夫との壮絶な関係が辛くなかった訳はないのですが。

この映画を観て私とは別の感想やイメージを作る人がいても不思議ではありません。気になる方は是非ご覧になってください。

この他今池シネマテークはこの秋目が離せません。
「氷の花火 山口小夜子」
「美術館を手玉に取った男」
「未来をなぞる写真家・畠山直哉」

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厚手のウール [アート]

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近頃洋服の素材に季節感が薄れて来ています。
コットンは言うに及ばず、麻だって夏だけでなく1年中着てもいいと言われています。

ただ厚手のウールとなると話は別。
夏の暑さと湿度が大変な日本の夏ではウールは適していません。
サマーウールという素材だって、毎日洗濯できる訳ではないので適切とは言いがたい。

案外激しい暑さが長続きしなかった今年の夏ですから、ウール素材は間もなく季節を迎えます。
昨日、Gokiのウールのジャケットやワンピースが入ってきました。

やっぱり、暑さをしのぐ夏服より秋物はおしゃれです。
どう着こなそうか、創造力が膨らみます。

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後ろ姿が美しい服(Goki) [アート]

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Gokiの服は、バックスタイルを美しくしてくれる服です。

服を買うとき、鏡に映る前からのバランスはじっくり見ますが、後ろ姿はおざなりになりがちです。
後ろ姿というのは、自分で確認することが普通はできないからです。

「後ろ姿が美しいです」とGokiの服を試着するお客様にお声をかけると、「え?」と驚かれることが多いのです。無防備な後ろ姿だから、これはとても重要なことなのです。

ブランド立ち上げの時から、しばしば登場しているシンプルなシャツワンピースです。
シンプルだからこそ、この美しさに価値があります。

今日は残念ながら、ハンガーに吊るした状態で撮影していますが、是非着てみて欲しい。
この美しさを試して欲しいのです。

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