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ソウルを振り返る [アート]

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そもそも私が韓国を目材した理由は行く前のブログにも書いたように、隣国としてちゃんと敬いの気持を持ちたいというものだった。ただ闇雲に出かけたって目的を遂行することはできないだろうがどうしたらいいだろうと思案はした。今回は韓国通の知人の案内がある。知人には私の韓国への思いを伝えてあったので彼女はいろんなプランを組んでくれているようだった。闇雲な自分よりいっそ彼女に全部を委ねようと思いノープランで出かけることにしました。

知人は先にソウル入りし、私と友人の到着を待っていてくれた。
彼女の待つ指定のホテルまで2人は自力でセントレアから向かう。インチョン空港からホテルまでの道筋はソウルから克明なメールでエスコートしてくれたのでほぼ完璧に向かうことができたが、そのたった2時間ほどがドキドキの体験であとは知人に付いて歩くだけという情けなさ。街の作りも歩く人の姿も日本の初めての街を歩くくらいの感覚だった。冬はかなり寒いらしいが夏は気温も湿度も名古屋とほぼ同じ。時差も無く、海外にいる感じがしない。

ホテルに荷物を置くと早速街に出る。
繁華街のお店を冷やかしながらやがて旧下級武士屋敷街に入る。狭い路地に立ち並ぶ屋敷は広くはないけれど閉鎖的。今では伝統工芸師の工房が多いとか。
ここでは金箔工芸の工房に入ってみた。
知人が今回のソウルで勉強した組紐の写真を見せるとそこのスタッフが大変喜んでくれて、伝統的な模様の意味だとか歴史だとかの基本から金箔工芸まで丁寧に30分ほど説明してくれた。もちろん知人の韓国語が堪能だったため踏み込んだところまでお話ししてくださったのだ。あとで知人は以前彼の講義を受けたことがあるからかなりの人なはずだとのこと。
この30分が後の見学に大変役に立ったのはありがたいことだった。

ソウルは平地が少なく坂の多い街。だから歩いていると、温度と湿度以上に暑い。

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ソウルで一番大きいお寺曹渓寺。
ここの歴史は新しく戦後建てられたのだとか。
韓国は儒教の国だからと仏教が禁じられたことがあったそうで、その時仏教寺院はほとんど山の中に逃げたらしい。日本でも神道が仏教を追いやった時期があったけれど、宗教弾圧はやっぱりあってはならないことと思う。戦後信仰の自由が言われて、このお寺が街中に総本山としてもどってきたのだ。
写真の飾りはお盆月だから特別なのか、日本では見ない魚の飾りでした。
も一つ私がとても気になったのは、お寺での女性のファッション。麻やシルクのモンペのようなパンツと白っぽい麻の襟無しのブラウス。パンツはカンフーパンツっぽくもある。お寺の職員はお揃いのそのファッション。パンツは墨黒、ブラウスはグレーっぽい白。お参りの人々はほぼ同じシルエットで色は決まっていないようでしたが、とても素敵でした。

夜は「THE PAINTRES」という韓流スターっぽい若い男性4人によるアートパフォーマンスのショー。
PAINTERSというからには「描く」をショーとして観せるという趣向である。日本でも公演があったのでご存知の方もあろうかと思う。1時間半ほどを3000円で観せるのはなかなかのものだった。

2日目
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景福宮
朝鮮王宮跡。朝鮮総督府跡。
ここの歴史は悲しい。つい20年ほど前まで朝鮮総督府の建物があった。
朝鮮総督府とはかつて旧日本軍が朝鮮を植民地として支配した時の象徴的な場所であり建物であった。
ソウルの街は風水を大切にして作られている。その一番大切な場所に支配者として現地には屈辱的な建て方をしたのだ。日本人としてとても恥ずかしい歴史である。「支配者」最も忌むべき言葉。
20年前から景福宮の完全復元を目指している。広い広い場所に美しい宮殿が今ではソウルの象徴になっている。
その中に「ソウル故旧博物館」がある。
宮廷の博物館だから高貴な品々ばかりだったが、前日金箔工房で聞いた話が随所に見られ展示物の意味が説明書の読めない私でもかなり理解できたのは嬉しいことだった。
そしてこの展示物はシルクロードが日本まで文化を運んだことも一目瞭然。以前トルコのトプカプ宮で見たあの文化がどう流れて来たのかちょっと感動だった。

ここで鵲(かささぎ)を見た。帰国後鳥に詳しい方が「日本には九州にしかいない。それは秀吉が朝鮮出兵のとき持ち帰ったもの」と教えてくれた。そんなことも両国の間にはあったのだ。

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ソウル現代美術館。
現地作家のトリエンナーレ的な催しだったようで、今からの力を感じた。
かなり広い美術館だった。

この日、景福宮も現代美術館も月に1回の文化の日とかで入場無料だった。こういうことに文化に対する行政の心意気を感じる。

3人の中で一番年上の私を慮ってくださり、2日目も早々にお茶からそのまま観光は終了。

3日目
もう帰る日。
朝、ソウル駅から空港に荷物を運んでもらう手配と出国審査を済ませ、みなさんからお勧めされていたサムスン美術館「リウム」へ。

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「リウム」には古美術と現代美術だけが展示してあった。入り口では名和晃平の作品が出迎えてくれる。李朝陶磁の最高峰国宝級のものばかりだと言う陶磁器は圧巻。展示はゆったり贅沢な空間になっていた。でも・・・もっと見たい。
現代美術もかなりたくさん。でも個人美術館だから、そこは網羅というより好み。村上隆もバスキアもマーク・ロスコもあった。まだまだたくさんたくさん。

2泊3日の旅はここでタイムオーバー。

入ったら1日はかかると言う博物館は次回のお楽しみ。

たくさんの文化を日本に伝えてくれた韓国。不幸な歴史もあった。でもこれからはともに素敵な歴史を作っていかなければいけない大切なパートナー。グローバル化は必ずしもいいことではないと思う。そう言う意味では韓国と日本は東アジアというローカルな文化が共有できる国同士。韓流ブームもある意味文化交流。悪いことではない。でもそれがきっかけでもいいからもっと深く繋がってもいいのではないかと思う。韓国と私の交流は始まったばかり。また行くことがあるかどうかではない。私が韓国とどう向き合うかということ。とにかく始まったのだ。




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